パンづくりに使う砂糖の種類と特徴【初心者向け】
パンづくりに欠かせない材料のひとつが「砂糖」
「甘くするためのもの」と思われがちですが、実は発酵を助けたり、パンをしっとりさせたり、焼き色をつけたりと、多くの役割を担っています。
しかも、砂糖の種類によってパンの仕上がりは驚くほど変わります。
この記事では、パンづくりでよく使われる砂糖の種類と特徴、その使い分けについて初心者向けにわかりやすく解説します。
砂糖がパンづくりで果たす役割

冒頭でもお話しましたが、パンの砂糖には、大きく分けて次の4つの役割があります。
- 生地の発酵を助ける
- 焼き色をつける
- 保湿効果でしっとり
- 風味と甘さを調整
砂糖はイーストのエサとなり、発酵を活発にします。少量でも効果があり、発酵時間を安定させる働きがあります。また、糖分は熱でカラメル化・メイラード反応を起こし、こんがりした色を出します。砂糖が少ないと色白なパンになり、多いと濃い焼き色になります。
その他、砂糖は水分を抱え込む性質があるため、パンが乾きにくく、ふんわり柔らかさが続きます。最後に風味と甘さの調整や砂糖の種類によっては「コク」「すっきり感」「香ばしさ」が変わります。
だからと言って砂糖の入れ過ぎはイースト(酵母)の働きを弱くするので注意が必要です!

パンづくりでよく使う砂糖の種類と特徴
砂糖には種類があり「コク」「すっきり感」「香ばしさ」などが変わってきます。作るパンによって相性のいい砂糖がありますので参考にしてみて下さい。
上白糖
- 日本で最も一般的な砂糖
- 粒子が細かく、生地になじみやすい
- 甘みはまろやかでクセが少ない
パンづくりで基本的な砂糖と言え、菓子パン・食パン・総菜パン等、どのパンにでも合います。初心者の方に最初に使うなら上白糖でOKです。
グラニュー糖
- 粒子が大きめで、さらっとした性質
- 上白糖より甘みがすっきりしている
- 欧米では定番の砂糖で、洋菓子や菓子パンに向く
焼き色がやや薄めに出るので、白っぽいフランスパン風に仕上げたいときにおすすめです。
きび砂糖・三温糖
- 精製度が低く、糖蜜分を多く含む
- コクや風味が強く、香ばしい甘さ
- 色が茶色っぽいため、パンの色合いも濃くなる
全粒粉パンやライ麦パン、素朴な味わいを出したいときにおすすめします。
黒糖
- サトウキビの風味をそのまま残した砂糖
- 甘みが濃厚で、ミネラルも豊富
- パンに独特の香りと深みを加える
黒糖パンや蒸しパンにするとコクのある甘みが楽しめます。
はちみつ・メープルシロップ(液体の糖類)
- 甘み+風味+保湿力を兼ね備えている
- 焼き色がつきやすい
- 砂糖の代わりに使うときは、水分量を少し減らす工夫が必要
菓子パンやブリオッシュ、バターロールにおすすめです。
工房おじさんのひとこと
何度もいいますが、初心者の方は上白糖かグラニュー糖で十分ですが、パン作りにも慣れて一工夫してみたいと思ったら砂糖を変えてみるのもいいかもしれません。
風味を変えてみたい時は、きび糖や三温糖、コクを出したい時は黒糖、しっとり感を出したいなら蜂蜜と、自分がどのようなパンを作りたいのかを作る前にイメージして砂糖を選ぶといいと思います。
私自身は、基本的には上白糖一択です。

まとめ
砂糖はただの甘味料ではなく、発酵・焼き色・食感・風味 すべてに関わる大切な材料です。
「上白糖で慣れる → グラニュー糖やきび砂糖で違いを試す → 黒糖やはちみつでアレンジ」
こんなステップで試すと、パンづくりがもっと楽しくなると思います。
「砂糖を変えるだけで、同じレシピでもまったく違うパンになる」
パン作りの奥深さを追求する時は、砂糖を変えてみると新たな発見があるかもしれません。

